1月202008
環境ISO返上自治体相次ぐ
環境ISO(ISO14000)を取得した島根の自治体で認証返上の動きが相次いでいるとの新聞記事を見つけた。
ISO認証の成果は各自治体で認めているものの、認証費・電算システムの管理費の発生と審査の為の報告書の作成の手間が返上の理由となっている。
更には、その考え方等は、既に浸透したというもの。
自治体の認証返上は、全国的な流れらしい。
確かに、認証には費用と手間が発生する。
内部監査等の日々の努力も必要となり、場合によっては、選任管理組織を作らないと維持も難しくなる。
しかし、そんな事で良いのだろうか?
認証を返上するより、ISO9001の認証も必要ではないかと思っているぐらいだ。
Uターンした際の各種書類手続き等を見ても、担当により言う事が変わったり数度の往復を強いられ
「もう少し管理をしっかりしろ」と言いたくなる出来事もあった。
ある所では、次の手続きのために違うフロアに行く必要があった時に、わざわざ案内をしてもらった。
それって「サービス?」
私が、かなりな高齢ならそれもいいでしょう。
適切な指示が頂ければ、館内の次に行く事ぐらい出来る。
サービスの大きな勘違いの様な気がした。
更には、自治体の発注業務における数々の不祥事もISOの取得により低減できるのではないかと思う。
★ISO14000
環境マネジメントシステムを構築し「環境保全及び汚染の予防」の
社会的役割を果たす。
★ISO9001
品質マネジメントシステムを構築し「顧客満足」を目的にした、
業務プロセスを確立し、効率化を求め、行政サービスを向上させる。
◆共通点としては、
(1)PDCAサイクル等による運用管理
(2)業務プロセスについての規格化
(3)手順化、文書化、記録化
(4)第三者監査
(5)責任・権限の明確化
島根県庁での取得費と電算システム管理費が年間400万。
人件費にすると一人分にも満たない金額だ。
ISOを推進する事により、様々なもののムダが明らかになり、かつ文章化された規定もしっかり出来るため、十分基は取れ、お釣りも来ると思う。
(ただし、見えないお金かも知れないが・・・。)
手間のほとんどは、従来やらければならない事が、やられてなかっただけの事ではないかと思う。それを手間と言ってはいけないのではないか。
確かに、報告書等は、増加した手間ではある。
更には、「取得により考え方等は浸透した」と言っているが、そんな簡単に浸透するのであれば苦労しない。
一般企業は、ISOを取得する事により、社内プロセスのルールを確立し、誰がやっても同じに出来る事で品質を確保し、後戻り作業等のムダの撲滅を図り、その結果客先からの信頼を勝ち取り、更に、その費用も吸収する努力を行っている。
更に、毎年、外部機関の監査を受け、種々の指摘を受け改善を行い努力をしているのである。
その努力は大変な物である。
私も十年程度、その環境にいた。維持することの大変さは良く判る。
一般行政機関は、製品製造の企業とは異なり、種々雑多の物も多く、一部においては裁決が遅れるものもあるかとは思うが、大部分は、プロセスの改善によりその期間も短縮できかつムダの撲滅も出来、地域住民にも喜ばれると役所になると思う。
どこの役所も、訳の判らない特殊手当て問題。更には一般企業に比べ給与が高いとかの批判を受け、給与カットを余儀なくされている。
特殊手当て問題は別として、住民の皆様から
「良くやっている。」と評価されれは給与カットも無く職員のモチベーションの維持も出来るのではないかと思う。
その為にも、ISOの取得・維持を行い“住民から見える行政”を目指してほしいものである。