10月122016

東京大停電

今日(10/12)も、朝から曇りがちながらも、穏やかな1日。

 

今日の午後、東京で最大で59万戸の停電が発生したと。

http://www.yomiuri.co.jp/national/20161012-OYT1T50087.html?from=ytop_top

原因は、送電ケーブルの火災との事。

ニュースでは、徐々に復旧し、火災によるけが人等は無かったと報道している。
一部、信号機が消え、交通事故も発生したとの事。
その他、報道にはないものの、町工場程度だと、非常用電源が完備されている所は、多少なりとも被害が有たのでないかと推測される。

 

報道では、「火事の原因・・・。」等の報道を行っているが、その連鎖で更なる大停電にならならなかったことが凄いのです。

と言うのも、アメリカでは、過去にニューヨーク大停電等の大停電が発生している。
日本は、電源系統等の状況が多少違うため、その様な事は発生しずらいとは言われている。

 

その大停電の原理を少々説明すると以下になる。
発電所からの送電がストップすると、他の発電所がそれを補うべく、頑張って発電しようと、タービン(発電機に直結)の回転数を上昇させる。
少しの上昇であれば、出力を増加させることで、それをカバーする。
しかし、その余裕がない場合は、タービンの回転数が、定格回転数よりどんどん上昇し、危険域に達すると自動的に、回転をストップさせる回路が働く。
そうなると、連鎖的に次々に発電所がストップし、地域の大停電が発生する事となるのだ。
アメリカの大停電は、切っ掛けは、それぞれの事象により異なっている様だが、最後の発電所が連鎖的にストップしたことによる。

 

今回は、最大59万戸との事で、その他地域の中小企業やインフラ等も含めると、どのくらいの電力量だったかは、明らかではないが、1戸30A程度の電気を使っていたとすると、単純計算で約180万Kw程度となる。
つまり、大型火力2台か3台分となり、相当の変動となる。
もし、停電した個所の電力を自動でバックアップする事になっていたならば、その可能性は、あったかもしれない。

しかし、記事によると、「東電が、新座変電所からの送電が途絶えた練馬、豊島の両変電所に送る電気を、千代田区や埼玉県川口市の変電所を経由して供給するよう切り替えたため、停電は同4時25分に全て解消した。」
とある事から、自動ではなく、人間系で切り替えたように書かれているため、事なきを得たのか?
系統については、全く素人で良く判らない。
しかし、火災となった事は、問題ではあるが、更なるトラブルが発生しない電源系統になっている事は、日本の技術力の高さを感じる。

 

各発電所においても、アメリカの大停電を受け、今回の様な事情が発生して、タービン回転数が上昇しても、発電がストップしないような工夫を今から20年ぐらい前に講じている。
今回は、その事が効果か出たかは不明ではあるが・・・・。
(この件は、私も係わったので・・・。)

 

しかし、真夏の一番暑い時でなくて良かった。
更に、今後は電力自由化で、出来の悪い電気(太陽光、風力等)がどんどん増え、系統のコントロールが難しくなるにつれ、色々な大きなトラブルが発生するリスクが増えていく。
ただ発電出力量のみで、原発が無くても大丈夫と言っている方は、今回の事故は、どう把握しているのだろうか?

2件のコメントがあります。

2 件のコメントがあります。

  1. 千葉の旧友 2016/10/13 10:59:00

    インフラを担う方たち(電気、水道、ガス、通信)には感謝しかありません。
    火災が原因と聞いて復旧に時間がかかると思っていましたが早期復旧で助かりました。
    私のいた霞ヶ関ビルは無事、水曜日で休みだったため停電地域の拠点は無人、ネットワーク監視でアラームがでただけでした。

    南国千葉もすっかり気温が下がり、朝の散歩で長袖・長ズボンになりました。

  2. 花田屋 2016/10/13 21:31:50

    千葉の旧友様

    インフラを扱う方々は、色々なクレームを付けられることも多いと思いますが、インフラを守る使命感は素晴らしいと思います。

    霞が関ビルは、無事でしたか。
    拠点の停電となった区域も、水曜日で、良かったですね。

    本文に書いたような、大トラブルにならなくて、本当に良かったと思います。

    南国千葉も、寒さを感じ始めた様ですね。
    こっちも、朝夕は、結構な冷え込みです。

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